
VPS(仮想専用サーバー)は、Webアプリやサイト運営、開発環境構築など幅広く活用できるサーバーですが、コストがネックになることもあります。
企業・ビジネスで本格的に使用するには不向きですが、小規模開発やテスト・学習環境として使用するにはおすすめのサーバーです。

本記事では、XServer VPSの無料VPSの概要やメリット、知っておくべきデメリットまでわかりやすく解説します。
契約前に知っておくべきポイントを押さえて、後悔しないサーバー選びをしましょう。
目次
XServer VPSの無料VPS(無料プラン)とは?
エックスサーバーの無料VPSとは、XServer VPSからリリースされた無料で利用できるプランです。
国内初の無料で利用できるVPSサービスとなり、とても注目を集めています。
ですが、エックスサーバーが提供する高性能なサーバーを完全無料で利用することができ、多くの人気を集めています。
まずは、無料VPSの主なスペックや仕様・機能を比べてみましょう。
↓
無料VPSの主なスペックや仕様・機能
無料VPSには、2GBプランと4GBプランが用意されており、ストレージには高速なNVMe SSDを搭載しています。
いずれのプランも初期費用ゼロの完全無料で利用できるのが、一番のメリットです。
2GB | 4GB | |
---|---|---|
メモリ | 2GB | 4GB |
CPU | 2コア | 3コア |
ストレージ | NVMe SSD | NVMe SSD |
ストレージ容量 | 30GB | 30GB |
無料サブドメイン | 〇 | 〇 |
ネットワーク | 30Mbps | 30Mbps |
イメージ保存 | × | × |
メール送信 | × | × |
通信制限 | あり | あり |
サポート | × | × |
契約更新 | 4日ごとに手動更新 | 2日ごとに手動更新 |
無料VPSでも、無料のサブドメイン(任意の文字列.xvps.jp)を利用することができます。
そのため、自身で独自ドメインを取得しなくてもWebサイトを公開することができます。
また、メール送信を行えないのも無料VPSを利用する際には注意しておきましょう。
例えば、お問い合わせフォームなどのメール送信が必要なアプリケーションの開発には、無料VPSは不向きです。
さらに、契約更新を2日または4日おきに手動で行う必要があるのもポイントです。
契約の更新を忘れないようにだけ注意しておく必要があります。
有料プランとの違い
無料VPS(無料プラン)と有料プランの違いもチェックしてみましょう。
両プランを比較した上で、無料と有料のどちらが自身に必要か判断しましょう。
今回は、同じ2GB・4GBのサーバーで比べてみます。
無料プラン | 有料プラン | |||
---|---|---|---|---|
2GB | 4GB | 2GB | 4GB(6GB) | |
メモリ | 2GB | 4GB | 2GB | 4GB(6GB) |
CPU | 2コア | 3コア | 3コア | 4コア |
ストレージ | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD |
ストレージ容量 | 30GB | 30GB | 50GB | 150GB |
ネットワーク | 30Mbps | 30Mbps | 100Mbps | 100Mbps |
イメージ保存 | × | × | 〇 | 〇 |
メール送信 | × | × | 〇 | 〇 |
通信制限 | あり | あり | なし | なし |
サポート | × | × | 〇 | 〇 |
契約更新 | 4日ごとに 手動更新 | 2日ごとに 手動更新 | 自動更新 | 自動更新 |
有料プランには「メモリ無料増設」というオプションがあり、4GBのサーバーは、無料でメモリ容量を6GBに増やすこともできます。
また、有料プランになるとネットワークが100Mbpsとなり、無料VPSよりもかなり快適な環境を期待できます。
さらに、自動更新が可能で、更新のし忘れの心配がないのも有料プランの大きなメリットになります。
無料VPSのメリット
XServer VPSの無料VPSのメリットは、
- 初期費用ゼロで完全無料で使える
- 無料の割にサーバー性能が高い
の2点です。
XServer VPSの無料VPSは、「メモリ2GB~4GB」「CPU 2~3コア」あり、完全無料で使用できるサーバーとしては性能が高いです。
そのため、開発環境として使用したり、小規模なシステム開発であれば、問題なく使用できます。
無料VPSのデメリット・注意点
XServer VPSの無料VPSのデメリットや注意点は、3つです。
- スペックや機能が制限される可能性
- 手動更新が必要で長期利用には向かない
- サポートを使用できない
スペックや機能が制限される可能性
無料VPSは、やはり有料プランと比べてスペックが落ち、機能も制限されます。
ストレージ容量は30GBのみ、ネットワークも30Mbpsと制限されます。
さらに、イメージ保存やメール送信機能も使用できず、運用面で支障が出ることもあります。
手動更新が必要で長期利用には向かない
無料VPSは、2日ごと、または4日ごとに手動での更新が必要になります。
更新し忘れるとサーバーが停止する可能性もあります。
そのため、長期での利用を考えると、XServer VPSの無料VPSは不向きと言えます。
サポートを使用できない
無料VPSでは、XServer VPSのサポートを利用できません。
トラブルなどでも問い合わせを行えず、特に初心者の方には注意が必要です。
無料VPSを使うべき人・使わない方がいい人
XServer VPSの無料VPSは、
- 小規模・簡易的なシステム開発に利用したい
- 試験的にサーバーを利用したい
- テスト開発に利用したい
- 学習環境として利用したい
という方にはとてもおすすめのサーバーです。
特に、テスト開発や学習環境のためのサーバーとして使用したい方には、無料VPSがとてもおすすめです。

ですが、本格的にWebサイトやWebアプリケーションの運用などを検討されている方には、無料VPSは不向きです。
さらに、以下のような方にも不向きです。
- 本格的にサーバーを利用したい人
- メール送信機能を伴うWebアプリケーションの開発を行いたい人
- サポートが必要なVPS初心者の人
本格的にVPSを使用したい方には、やはりXServer VPSの有料プランをおすすめします。
特に、企業利用やビジネス利用だとサーバーが止まってしまうと機会損失にもなるので、有料プランを利用しましょう。
XServer VPS 無料VPSの活用事例とおすすめ用途
XServer VPSの無料プランは、性能や機能に制限があるとはいえ、工夫次第でさまざまな用途に活用できます。
特に、以下のようなケースでは大いに役立ちます。
- ポートフォリオサイトの公開
- Webアプリケーションの試作品開発
- 学習用サーバー
- 趣味の小規模ブログ運営
- チーム開発の検証環境
- オープンソースソフトの動作確認
ポートフォリオサイトの公開
無料サブドメインを利用して、制作したWebデザインやアプリケーションの実績を簡単に公開可能です。
独自ドメインが不要なので、費用をかけずに作品を発表できます。
Webアプリケーションの試作品開発
新しく開発したWebアプリを本番公開前に動作確認したいときに最適です。
ユーザーインターフェースや機能のチェックを安全な環境で行えます。
学習用サーバー
LinuxコマンドやApache/NginxなどのWebサーバー構築練習、プログラミング、データベース設定の学習など、開発スキルを磨く場として活用できます。
趣味の小規模ブログ運営
トラフィックが少ない個人ブログや日記サイトなら、XServer VPSの無料VPSで問題なく動作します。
チーム開発の検証環境
小規模な開発チームで、コードの動作確認や新機能のテスト環境として共有できます。
無料なのでメンバーごとに個別サーバーを立てることも可能です。
オープンソースソフトの動作確認
GitHubなどで公開されているオープンソースソフトウェアを実際に動かし、機能やパフォーマンスを検証する用途にも最適です。
本番サーバーに影響を与えずに試せます。
このように、無料VPSは「まずはVPSを体験してみたい」「お金をかけずに試したい」という方にとって、非常に魅力的な選択肢となります。
本格的な運用は有料プランが適していますが、学習・試作・趣味の範囲なら無料プランでも十分活躍できます。
まとめ
XServer VPSの無料VPSは、初期費用も無料で完全無料で利用できるVPSサービスです。
無料のわりにスペックも高く、"小規模なシステム開発"や"開発・学習用のサーバー環境"として使用するには最適です。
さらに、サポートも使用できないので、初心者の方にはハードルが高くなる可能性もあります。
これらのデメリットを許容できる方には、無料VPSを申し込んでみましょう。
ただ、やはり本格的にサーバーを利用したい方には、XServer VPSの有料プランを検討しましょう。