「シンフリーサーバー」について調べてみました。
※2024.07.10に「シンクラウド for Free」から「シンフリーサーバー」へ名称が変更になりました。
シンフリーサーバーは、完全無料で利用できる無料レンタルサーバーです。
無料なのに高機能なサーバーで、有料級という声も多いです。
シンフリーサーバーが本当に有料級のサーバーなのか気になる方は、チェックしてみましょう。
目次
シンフリーサーバーは本当に有料級?
結論から言うと、「シンフリーサーバーは有料級のレンタルサーバーです。
シンフリーサーバーは、有料級を謳っているレンタルサーバーです。
ですが、サポートに掛かるコストをカットし、ストレージ容量を最低限にすることで、無料で利用できるようにしています。
また、メールアドレスを発行できず、WEBサイトの公開に特化している点も無料提供できる理由と考えられます。
もちろん、月額1,000円前後のレンタルサーバーと比べると、機能は落ちます。
ですが、月額数百円程度の格安サーバーと比べると高機能で、このような点で有料級と言えます。
- 無料SSLを利用できる
- WEBサーバーにNginxを搭載
- HTTP/2をサポート
- ストレージに高速なSSDを搭載
- 簡単にWordPressを始められる
- WordPressのセキュリティ設定も行える
- WAFを利用できる
- 広告表示がない
無料SSLを利用できる
一般的に、無料サーバーでは無料SSLを利用することができません。
また、格安サーバーでも無料SSLを利用できないサービスもあります。
それを考慮すると、独自ドメインで無料SSLを標準で利用できるのはかなり大きなポイントです。
WEBサーバーにNginxを搭載
シンフリーサーバーでは、WEBサーバーとしてNginxを採用しているのも大きいです。
Nginxは、高速で、かつ同時アクセスに強いWEBサーバーで、アクセス集中時でも落ちにくいというメリットがあります。
無料や格安のサーバーだとApacheを採用していることが多く、仕様が古いことが多いです。
HTTP/2をサポート
通信プロトコルとして新しいHTTP/2をサポートしています。
SSLと同時に使用することでWEBサイトの高速化が可能な技術で、最新の有料サーバーではHTTP/2をサポートしているのが一般的です。
ストレージに高速なSSDを搭載
シンフリーサーバーでは、ストレージに高速なSSDを搭載しているのも大きなポイントです。
SSDは、HDDよりもかなり高速ですが、その分料金が高くなります。
無料サーバーや格安サーバーだと費用を抑えるためにHDDを採用していることが多いので、高額なSSDを搭載しているのも有料級と言われる理由です。
簡単にWordPressを始められる
「WordPress簡単インストール機能」を搭載しているので、誰でも簡単にWordPressをインストールできる仕様になっています。
入力も基本的な項目だけなので、直ぐにWordPressを開始することができます。
WordPressのセキュリティ設定も行える
シンフリーサーバーでは、サーバーパネル上からWordPressのセキュリティ設定も行うことができます。
設定できるのは、この3つです。
- 国外IPアクセス制限
- ログイン試行回数制限
- コメント・トラックバック制限
WAFを利用できる
WAFというのは、WEBアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃をブロックしてくれるシステムです。
WEBアプリケーションであるWordPressの強力な脆弱性対策にもなり、安全にWEBサイトを運営することができます。
シンフリーサーバーでは、そのWAFを無料で利用することができます。
プラグインなどを使って個別に対応することも忘れないで下さい。
広告表示がない
シンフリーサーバーでは、無料サーバーとしては珍しく広告表示がありません。
広告表示があると鬱陶しいという方もいるので、その表示がないのも大きなポイントです。
シンフリーサーバーの機能・仕様
シンフリーサーバーの主な機能・仕様もチェックしてみましょう。
WEBサーバー | Nginx、Apache2.4.x | |
---|---|---|
通信プロトコル | HTTP/2 | |
容量 | 10GB | |
独自ドメイン (マルチドメイン) | 10個 | |
サブドメイン | 50個 | |
無料独自SSL | 〇 | |
データベース数 | 最大5個 ※MariaDB10.5 | |
データベース容量 | 500MB | |
WordPress 関連機能 | ■WordPress簡単インストール ■WordPressコピー機能 | |
PHP | ■PHP8(7.4.x / 7.3.x / 7.2.x) ■PHP7(8.2.x / 8.1.x / 8.0.x) | |
SSI | 〇 | |
Perl | 〇 ※バージョンは5.26.x | |
Ruby | 〇 ※バージョンは2.5.x | |
Python | 〇 ※2.7.x / 3.6.xを利用可 | |
.htaccess | 〇 | |
Cron | 〇 | - |
SSH | × | |
メールアドレス | × | |
FTP | 〇 | |
FTP over SSL | 〇 | |
高速化設定 | ■Xアクセラレータ ■サーバーキャッシュ設定 | |
セキュリティ | ■WAF設定 ■アクセス拒否設定 | |
サポート | × | |
広告の表示 | なし | |
その他の機能・仕様 | ■アクセス解析 ■動作確認URL設定 |
シンフリーサーバーの5つのデメリット
「ン・クラウド for Free」のデメリットと言えるのは5つです。
- 3ヶ月毎の更新が必要
- 容量が少ない
- サポートがない
- バックアップ機能が無い
- メールアドレスを発行できない
3ヶ月毎の更新が必要
シンフリーサーバーは、3ヶ月毎の更新が必要になります。
自動更新の設定がないので、更新を忘れてしまうとサーバーが停止してしまうので気を付ける必要があります。
更新は簡単に行えるので、必ず更新作業を行うようにしましょう。
容量が少ない
シンフリーサーバーは、ストレージの容量が10GBです。
一般的なWEBサイトの運営であれば10GBでも問題ないです。
ですが、規模が大きいWEBサイトや複数サイトの運用だと難しくなります。
その場合は、シンレンタルサーバーやエックスサーバーなど、有料のレンタルサーバーを利用しましょう。
サポートがない
シンフリーサーバーにはサポートがありません。
上級者の方であれば、自己解決できることも多いです。
ですが、WordPressやサーバー初心者の方だと、トラブル時には対応が難しい場面が出てくることもあります。
初心者の方であれば、基本的には有料のシンレンタルサーバーの利用をおすすめします。
バックアップ機能が無い
バックアップ機能は、トラブル時の最後の砦とも言うべき機能です。
例えば、"不正アクセスによりデータが書き換えられた"、"WordPressのバージョンアップでWEBサイトが表示されなくなった"、"データを誤って削除した"、などのトラブルはよく聞きます。
こういったトラブル時には、バックアップデータを使ったデータ復旧は必須なので、バックアップ機能が無いのはかなり大きいです。
シンフリーサーバーを利用する場合には、手元にあるハードディスクに手動でバックアップを取るか、WordPressのバックアップ用プラグインを設定するようにしましょう。
メールアドレスを発行できない
シンフリーサーバーでは、メールアドレスを発行できません。
その為、メールアドレスが必要な法人利用・ビジネス利用には不向きです。
他社レンタルサーバーと比較
他社の無料サーバーと比較
シンフリーサーバーと他社の無料サーバーとを比較してみましょう。
シンフリーサーバー | スターサーバーフリー | XREA Free | |
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
利用料金 | 無料 | 無料 | 無料 |
ストレージ | SSD | 不明 | SSD |
容量 | 10GB | 2GB | 10GB |
転送量 | 900GB/日 | 転送量課金なし | 5GB/日 |
WEBサーバー | Nginx | Apache | Apache |
HTTP/2 | 〇 | × | 不明 |
独自ドメイン | 10個 | 1個 | 20個 |
無料SSL | 〇 | × | 〇 |
MySQL | 5個(500MB) | 1個(50MB) | 5個 |
PHP | PHP7.2 / PHP7.3 / PHP7.4 / PHP8.0 / PHP8.1 / PHP8.2 | PHP5.3.3 / PHP5.5 / PHP5.6 / PHP7.0 / PHP7.1 / PHP7.2 / PHP7.3 / PHP7.4 / PHP8.0 / PHP8.1 / 8.2 | PHP5.6 / PHP7.0 / PHP7.1 / PHP7.2 / PHP7.3 / PHP7.4 / PHP8.0 / PHP8.1 / 8.2 |
WordPress | 〇 | 〇 | 〇 |
広告表示 | なし | あり | あり |
FTP | 〇 | 〇 | 〇 |
メールアドレス | × | × | 〇 ※100アカウント |
バックアップ | × | × | 〇 ※15世代 |
商用利用 | 〇 | 〇 | 〇 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
他社の無料サーバーと比較すると、シンフリーサーバーのメリットは、1日の転送量が900GBもあるところです。
また、広告表示もなく、その点で他社無料サーバーよりも利用しやすいですね。
ただ、「XREA Free」にはバックアップ機能とメールアドレスを利用することができます。
その点は、シンフリーサーバーのデメリットになります。
格安サーバーと比較
次は、シンフリーサーバーと格安サーバーを比較してみましょう。
シン・クラウド for Free | リトルサーバー | クイッカプラス | バリューサーバー | |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 920円 | 無料 | 1,100円~ |
月額料金 | 無料 | 150円~ | 198円~ | 約220円~ |
ストレージ | SSD | SSD | SSD | |
容量 | 10GB | 20~120GB | 5~20GB | 200~800GB |
転送量 | 900GB/日 | 30~180GB/日 | 無制限 | 150~1,500GB/月 |
WEBサーバー | Nginx | Apache | Nginx | Apache |
HTTP/2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
公式サイト | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
シンフリーサーバーは、転送量も1日900GB確保されており、WEBサーバーにはNginxを搭載しています。
容量は10GBしかないですが、格安サーバーと比べても、決して機能が落ちる訳ではないですね。
シンフリーサーバーがおすすめな人
シンフリーサーバーは、このような方におすすめです。
- サポート不要という上級者
- メール機能は不要(WEBサイト公開だけでOK)
- 自己解決力のある初心者の方
サポート不要という上級者
シンフリーサーバーは、サポートがありません。
その為、トラブルが発生しても自分で解決できる上級者の方におすすめのレンタルサーバーです。
例えば、WordPressのバージョンアップで画面が表示されなくなったり、誤ってデータを消してしまうこともあります。
バックアップ機能もないので、こういったトラブル時でも復旧できるだけの知識が必要になります。
基本的に、シンフリーサーバーは、初心者の方にはおすすめできません。
自己解決力のある初心者の方
シンフリーサーバーは、基本的に初心者の方にはおすすめできません。
ですが、トラブルが発生しても、自分で調べて解決できる能力が高い方であれば、初心者でも使いこなせます。
メール機能は不要(WEBサイト公開だけでOK)
シンフリーサーバーでは、メールアドレスを発行することができません。
その為、WEBサイトの公開だけ行えればOKという方におすすめのレンタルサーバーです。
例えば、法人利用だとメールアドレスが必須になります。
なので、シンフリーサーバーは法人にはおすすめできず、個人向けのレンタルサーバーとお考え下さい。
有料レンタルサーバーがおすすめな人
シンフリーサーバーは有料級のレンタルサーバーですが、デメリットもあります。
そのようなデメリットを許容できない方には、有料のレンタルサーバーをおすすめします。
また、初心者の方にもサポートの付いている有料レンタルサーバーをおすすめしています。
- サポートが必要な初心者の方
- 法人向けレンタルサーバーをお探しの方
- 容量10GBでは足りない
- バックアップ機能が無いと不安
- メールアドレスを発行して利用したい
おすすめは、シンクラウド株式会社が提供する「シンレンタルサーバー」とエックスサーバー株式会社が提供する「エックスサーバー」です。
シンクラウド株式会社は、エックスサーバー株式会社が設立したホスティング会社です。
シン・クラウド for Free | シンレンタルサーバー | エックスサーバー | |
---|---|---|---|
プラン | - | ベーシック | スタンダード |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額利用料金 (12ヶ月契約) | 無料 | 880円 | 1,100円 |
ストレージ | SSD | NVMe | NVMe |
容量 | 10GB | 700GB | 500GB |
転送量 | 900GB/日 | 無制限 | 無制限 |
WEBサーバー | Nginx | Nginx | Nginx |
HTTP/2 | 〇 | 〇 | 〇 |
独自ドメイン | 10個 | 無制限 | 無制限 |
無料SSL | 〇 | 〇 | 〇 |
MySQL | 5個(500MB) | 無制限(5GB) | 無制限(5GB) |
WordPress | 〇 | 〇 | 〇 |
広告表示 | なし | なし | なし |
メールアドレス | × | 無制限 | 無制限 |
自動バックアップ | × | 〇 | 〇 |
商用利用 | 〇 | 〇 | 〇 |
サポート | 〇 | 電話、メール | 電話、メール、チャット |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
シンフリーサーバーに関するよくある質問
シンレンタルサーバーではアダルトコンテンツの公開がOKになっていますが、エックスサーバーでは禁止になっています。
はい。初期ドメインと無料SSLを利用できるので、完全無料で利用することができます。
はい。「サーバーID.cloudfree.jp」というサブドメインを利用することができます。
また、独自ドメインを取得して利用することもできます。
シンフリーサーバーにはサポートが付いておらず、初心者には不向きです。
トラブル時でも自己解決できる上級者に向いているレンタルサーバーです。ただし、初心者の方でも、分からないことは自分で調べて解決できる方であれば、使いこなせます。
いいえ、バックアップ機能は付いていません。手動でHDDへバックアップアップを取るか、WordPressのプラグインを使ってバックアップを取る必要があります。
いいえ。広告は表示されません。